フロン類

2015/09/27(2024/01/20修正)

 今日はちょっとした発見をしました。
 我が家では最近(といっても1ヶ月くらい前)にエアコンを新調したのですが、その底面に恐ろしいことが書いてあるのに、さっき気づきました。

家庭用エアコンにはGWP(地球温暖化係数)が675のフロン類(R32)が封入されています。地球温暖化防止のため、移設・修理・廃棄等にあたってはフロン類の回収が必要です。

 てか、GWP675っていうのが高いのか低いのか、そこからしてわからぬ。あとで調べます。

 とりあえず、フロン類という物についておさらいしましょう。
 一般的には「フロン」という名前の方が有名ですかね。メタンCH4やエタンC2H6の水素原子をフッ素Fや塩素Clで置き換えた人工化学物質で、とても安定した物質です。
 熱による分解や化学反応を起こしにくく、揮発しやすいという性質から、かつてはエアコンや冷蔵庫の冷却剤やスプレーの噴出ガスにとてもよく用いられた物質でした。
 しかし、安定性が高すぎるためにフロンは廃棄された後も分解されずに空気中を漂い続けます。
 そしてどうなったかというと、遥か上空にあるオゾン層に到達し、そこではじめて強い紫外線によって分解され、塩素ラジカル(反応性がめっちゃ高い塩素粒子)を生成し、それがオゾンと反応してオゾン層の破壊を引き起こしました。オゾン層は有害な紫外線を吸収するという地上の生物にとって重要な役割があるので、これが破壊されるとさあ大変。かの有名なオゾンホールの出現と相成りました。
 かくして、一時は人体に影響も無く「夢の化学物質」とまで呼ばれたフロンは規制されることになりましたとさ。めでたしめでたし。

 現在では、よりオゾン層を破壊しにくい(しかし、これも全く破壊しないわけではない)代替フロンが用いられていると聞いています。
 それにしても、良いことばかりの「夢の化学物質」はそうそう実現しないんですね。
 代替フロンは、オゾン層を破壊しにくい代わりに、強い温室効果ガスであると言います。

 温室効果ガスが引き起こすことと言えば、ご存じ地球温暖化です。まあ、地球温暖化が悪いと一概に言えるかって言うと、単純に地球の長い歴史のサイクルの中で氷期が終わりに向かっているだけとか、いろいろな説がありますが、3 (ケルビン)(-270℃)しかない宇宙の中にあって、夜でも人類が死なない程度の暖かさを保っているのは温室効果ガスのおかげでもありまして。
 日本では二酸化炭素ばかりが取り沙汰されている印象ですが、温室効果ガスは二酸化炭素だけではありません。
 オーストラリアだかニュージーランドだかでは、家畜の牛のゲップに含まれるメタンガス(これも立派な温室効果ガス)が問題として取り上げられたという記憶があります。そもそも、水も結構な温室効果があるのですよね。

 話がそれました。そんなわけで、冒頭の地球温暖化係数に戻ります。
 エアコンの冷却剤として使われているフロン類。これが地球温暖化の原因になり得るから、素人が手を出すなよ!勝手に捨てるなよ!と言ってるわけですね。

 GWP。Global Warming Potential。地球温暖化係数。調べたところ、まあ字面から想像できるように、温室効果ガスの温暖化する能力を数字にしたもののようです。(cf.4-4 地球温暖化係数(GWP)について - JCCCA
 基準は二酸化炭素とのこと。(二酸化炭素の温暖化能力=1)
 つまり、このエアコンに使われているフロン類は二酸化炭素の675倍温暖化能力が高いってことですね。うわあ。

 フロン類ってつまり、オゾン層も破壊するし、温暖化も促進しちゃうし、めっちゃ規制されてるんじゃ無かったっけ?って思ったのです。
 でも、新製品のはずなのにあれー? 使用されてるよ? なにそれ怖い。