春夏秋冬

2015/09/30

 「楽しくわかる万葉集 (図解雑学シリーズ)」という本を読んでいたら、少し興味深いことが書いてありました。
 普段何気なく使っていた四季を表す言葉ですが、語源があるらしいのです。

 春の語源は植物の芽が「張る」らしいです。
 英語のSpringも湧き出る様なイメージ(泉とか温泉とか、芽吹きという意味もある)なので、万国共通(少なくとも日本と英語圏共通)で春といえば芽吹きの時期なのでしょう。
 寒い時期を乗り越えて、これから花開く時期であることの喜びを感じます。

 夏の語源は、「暑(あつ)」とか「熱」とかに関わるようです。
 うむ、異論は無い。
 万葉集では夏の到来を喜ぶ歌は、持統天皇の有名な歌

春過ぎて 夏来るらし 白栲の 衣干したり 天の香具山

のみだけなんだそうな。昔の人も、夏は暑くて嫌だったんだろうなと思うと、親近感が湧きますね。
 英語のSummerというのは絶頂期という意味があるようなので、気温が高く、活発になれる時期って感じなのでしょうか。
 湿度が高くて、いや~んな日本の夏とは違うようです。

 秋の語源は、「赤」や「飽き」と関係があるようです。
 日本人にとって秋は食欲の秋なのでしょう。
 実が熟して赤くなり、美味しい物たくさんで嬉しいな、もうお腹いっぱい。
 そんな感じなのでしょう。ポジティブですね。
 古代日本人の性根は「ネアカ」(cf.根暗)だという話もあるし、万葉集の時代で秋を感傷的に歌ったものはほとんど無いというので、こちらの方が日本人(というより大和人?)本来の感性なのでしょう。
 英語のFallとは対象的ですね。落ち葉が落ちて物悲しい、そんなイメージです。
 ちなみに英語圏の人たちも物悲しいのが嫌だったのか、ラテン語系のAutumnを借用したなんて話も聞きました。確認してないので信憑性は無いですが。
 ちなみに、日本において秋がもの悲しいという感覚は、平安初期になってから定着してきたと考えられるそうです。

 冬の語源には「冷(ひ)ゆ」とか「震う」など諸説あるそうです。この二つは理解できるんですが、「殖(ふ)ゆ」という説もあるらしく。
 これは何でなんでしょうね。何がふえるんですかね。体重とかですかね。冬のスズメってふっくらしているし。
 英語のWinterは「雨の時期」「雪の多い時期」という原義があるらしいです。
 冬といったら、やっぱり雪のイメージなんですね。

 春と冬は同じ感覚なのに、夏と秋はどっちかっていうと逆なのが面白いなーと感じました。