蕪村の見た月

2023/08/19

 小学6年生の理科の教科書を見る機会がありました。全体的にはパラパラと見たのですけど、やはり地学分野はしげしげと見てしまいました。
 啓林館さんの教科書だったんですけど、「へえ、こんなことまで小学校の教科書に載ってる!」とびっくりすることが結構掲載されていましたね。地球照(ちきゅうしょう)のこととか。
 それで、天文分野の章末問題に、ちょっと面白い問があったのがとても印象に残りました。細部は忘れちゃったんですけど、こんな問題です。

国語 次のような与謝蕪村の俳句があります。
菜の花や 月は東に 日は西に
このとき、どのような月が見られたと考えられますか。

 教科横断問題じゃん!!!!
 最近の教育のキーワードの一つとして「文理融合」が挙げられるのは間違いないと思うんだけど、小学校の教科書でもそれをもろに反映してきてるんだなーというのが驚きでした。
 安穏と「今までどおり」の教育をしていてはいけないなと、小学校が変わってくれば、直に高校生も変わってくるでしょう。それに対応していかなければと、そう感じました。

 それはさておき。問の答えについて考えてみましょうか。
 菜の花が咲いていることから季節は春。太陽の軌道は夏になるほど北寄りで、冬になるぼど南寄りになるものですが、春なので日の出はほぼ真東、日没はほぼ真西だと言って良いでしょう。
 月も、夏と冬は逆になりますが、太陽と同様のことが言えるので、月の出はほぼ真東で、月の入りはほぼ真西と言えるでしょう。
 月は東に 日は西にとあるので、時刻は夕暮れ。また、太陽と月の位置が地球を挟んでおおむね180°であることがわかります。この位置関係の時、月は満月となっています。
 時刻的には月は出てきたばかりで、まだ低い位置にいるでしょう。このようなときには、夕焼けと同じ仕組みで色が赤く見えることがあります。
 と言うわけで、「赤い満月が見えた」んじゃないかと思うんですけど、答えはどうなんですかね。
 春、ということで朧月なんかも考えた方がいいのかな。


 ここからは完全に駄文です。
 赤い満月って言ったら、アクラムですよね。『遙か』の舞台は春ですし。……あれ、歌詞に「深紅(あか)い満月 飲み干そうか」ってあるのは『遙か2』の方のアクラムだっけ? まあいいか。
 ちなみに『遙か3』の『紅の月』は満月って言うより三日月のイメージが強いのは、タイトルロゴのせいかな。